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事業承継計画と株式対策 – 2(2018.5.22)

事業承継計画と株式対策 – 2

前号に続き事業承継計画と株式対策について考えていきます。

株式を譲渡制限としていた場合であっても、相続や合併は、一般承継であるため、
株式の移転を制限できませんでしたが、会社法が改正され相続や合併などにより、
譲渡制限株式を包括承継した者に、その株式を売り渡すことを請求する旨を定款
に定める(会社法174条)ことができるようになりました。

この制度を利用すれば、会社にとって好ましくない者が、株式を相続したとき
は、会社が売渡請求を行い、排除することができます。

ただし、売渡請求をするためには、以下の要件が必要となります。

1.自己株式の取得ですので、株主総会の特別決議が必要となります。
2.譲渡制限株式でなければなりません。
3.相続があったことを知った日から、1年以内に請求権を行使しなければなら
なりません。
4.自社株の買い取りなので財源規制を満たさなければなりません。分配可能利
益の範囲内の金額でしか買い取り請求ができません。

自社株の評価額を確認するとともに、現状の持ち株関係を図解整理し、経営上の
将来リスクについても対策を考えましょう。

詳細については、顧問税理士等にお尋ねください。

先日、「株価評価が高いので、後継者へ株式を贈与するため納税猶予制度を活
用したいと考えているが、今後の会社経営を考えた場合幹部や社員のこともあり、
もっと別な方策はないものか?」という相談がありました。

会社法では、株主に、「特別の権利を与える株式」や「権利を制限する株式」な
ど、通常と異なる種類の株式の発行を認め、法定しています(会社法108条 異な
る種類の株式⇒種類株式と言われています)。

種類株式は、資金調達や敵対買収からの防衛、円滑な事業承継等を目的として株
主平等の原則の例外として認められたものであり、会社法で規定された種類株式
以外発行することができず、発行したとしても無効になります(詳細については
会社法をご確認ください)。

納税猶予と種類株式を活用することにより、後継者に経営権を集中することが可
能になりますが「今後の会社経営を考えた場合幹部や社員のこともあり…」とい
う疑問の回答にはつながりません。

次号も引き続き事業承継計画と株式対策について考えていきます。
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