同分社刊 平成24年1月30日改定版発行
優れたビジネスアイデアや適切なビジネスコンセプトを設定できたとしても、事業の成功が約束されるわけではない。ビジネスアイデアやビジネスコンセプトを実現し、事業に安定的な収益をもたらす仕事としての仕組みやシステム、つまり優れたビジネスモデルが業務システムとして構築されなければ何もならない。ヤマト運輸が宅配便を創造することができたのも、金型の通信販売を行うミスミが「購買代理店」というコンセプトを実現できたのも、優れたビジネスモデルを業務システムとして構築できたからにほかならない。ビジネスモデルの構築は、課題や脅威をクリアするための戦略の立案から始まるビジネスプランニングの一連の作業の1つである。優れた戦略を立案するための高い創造力や発想力だけでなく、それを実際のシステムや制度として実現していく実行力が求められる最も困難な作業ともいえる。しかし、これをビジネスプランニングにおける一番の醍醐味であると感じている起業家も多い。(P63第3章ビジネスモデルを構築する)
私にはハードルが高い本です。ジュンク堂で購入したきっかけは、中小企業庁から、28年11月「事業別分野指針」・28年12月「経営力向上計画策定と活用」が発表され、国が事業別にビジネスモデルを示しているのでは・・・という勘違いからでした。国は、事業別分野指針で14業種の現状認識・課題、目標を示し、さらに小規模・中規模・中堅と規模に応じて取り組むべき項目を挙げています。内容を読み込んでみたら、業種別に外部環境の変化まで書いてありました。
小売業の関与先の経営向上計画を作成するため、卸・小売業の指針を参考に得意のバランススコアカードの視点で戦略を考えてみました。小規模に該当する企業の経営状態の把握という分類に、①店舗毎に損益管理、②PDCAサイクルの徹底という二つのことが示されています。①と②が本でいうビジネスモデルを構築する要素と考えた場合、確かに今取り組むべき課題であり計画にもり込むべきことなのですが、「業務システム」としてまわさなければ実現できません。回すための課題も企業によって違います。
① と②が優れた戦略だとしても、それを実行するためのKPI(業績評価指標)
は個々の企業によって違います。さらに私達には、認定支援機関として「実現していく」実行力を支援する「役割」が求められています。本を読み、ビジネスモデルと業務システムについて考えることができました。