かんき出版2009年12月 第1刷発行
(P.62 税務会計を中心に経営を考えると意思決定を誤る)
本当の問題点は、次の2点です。
・製造業では「コストダウン=利益アップ」が常識となっている。
・コストの意味を会計という一面でとらえ、しかも税務(税込)で拘束された原価計算の発想から、会計事務所が抜け切れていない。
「儲けるための会計」を考えた場合、コストダウンと利益アップは相反します。中小企業では、原価計算を手間とヒマかけて一生懸命に行っているのが実状です。実は、これが製造業においてこの先の経営をわかりにくくしている大きな原因の一つです。在庫を減らして利益を出そうとすると、逆にコスト(原価)が上がってしまうのです。
「このままでは利益が出ない!」という警戒警報が、いまの会計システムにはありません。今の税法で拘束された原価計算の仕組みは、経営には使えないのです。
経営では、「この製品をこの価格、この数量を販売している以上、絶対に儲かりません!」と言い切れるデータが必要なのです。その先どうするかは、経営者の意思決定です。
6月30日(金)~7月1日(土)の2日間、日本M&A主催の山形セミナーで税理士法人あさひ会計の見学会にいってきました。内容は、①業務管理ソフトの活用事例、②M&A業務の取組について、③MQ会計による実践利益管理、そして少しだけ(汗山形観光でした。実は、昨年の実践発表会にも遅れて参加し多くの気づきをいただいたのですが、その時はweb軍師とどうつなげるか…で頭がいっぱいでMQ会計の本質まで気づいていませんでした。二日目から参加し、初日の西先生と柴田先生の話を聞いてなかったのが原因でした。今回は、柴田先生自らの「MQ会計の基礎」講義、続いて「MQ会計による実践利益管理」という実例を聞くことができました。損益分岐点は1つではなくP(売価)、V(仕入値)、Q(数量)とF(固定費)の4つという意味が良く理解できました。本のP40には、決算書は過去会計で書く“死亡診断書である”という項もあります。そのまとめは、「利益が決まるのは決算でなく見積もりのとき」と書いてあります。
事業領域→ビジョン→戦略というアプローチは大切ですが、MQ会計が進める「利益感度分析を活用して利益を上げる」その結果として、「社長が自分の想いを数値に置き換え、経営計画やシミュレーションを自分の頭の中で自由に考えられるようになること」それを徹底することの意味を納得しました。
柴田先生に、「MQ会計とweb軍師で利益を上げる戦略を習慣にすることを目指します。」と話したら、「そうだね!」と言ってくださり、その後の食事の時、乾杯の音頭を指名してもらったのですが、愚かな私は、そこで挨拶がうまく言えなかった…柴田先生の思いやりに改めて感謝!これからMQ会計に取り組みます。