中継出版2004年4月初版発行
達成基準を狭く考えすぎてはいけないピンポイント的発想は不毛の議論になる(P.179)
目標に売上高「1億円」のように達成基準があったとします。厳密に言えば1億円を1円でも下回れば未達成となります。ピンポイント的発想をすればそうなります。「それは極端だ」というならば500万円未達、1000万円未達ならどうでしょうか。達成率では97.5%と95%です。なぜこんな不毛な議論が起きるのでしょう。
達成基準は1年前の環境条件を前提にしているので、その後、状況が変わることもあり、また相手のあることです。精密さを求めると肝心の目標がたてられませんし、評価は数字合わせになってしまいます。
目標管理の本質は方向と室料を定めて組織的に努力することです。達成基準は強い願い、評価は最終的には経営判断と考えるのが正しいのです。
(P.36)
例えば、不良品発生率が5%で、改善目標を3%に設定した場合、3.5%だったら未達成と判断してしまうのではなく、前年よりも改善された(ベストを尽くして3%に近くなった)から良し、という経営判断をするということでしょうか。目標値に対して許容範囲を設定するという考えにつながります。