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シンプルに生きる『老子』 監修 愛知教育大学名誉教授・皇学館大学名誉教授 野村 茂夫

リベラル社発行 2016年10月27日初版 2018年6月14日再版

(P34)人に力を発揮させる社会は活性化する
 天下に忌諱(きき)多くして、民弥(いよ)いよ貧(ひん)に、民に利器(りき)多くして国家ますます昏(くら)し(第57章)

 生まれながらにして、人は自由です。自由があるということは、他のものに邪魔をされず、自分の気持ちのまま行動することができるということ。そして、人は自由であれば、創造することを本能的に好み、誰に言われるまでもなく工夫をし、世の中に小さなプラスを生み出そうとします。実際に、そのようにしてこの世の中を発達させてきた歴史があるのです。
 それを「あれも禁止、これも禁止」と禁令ばかり出していれば、人の創造性は失われ、意欲も徐々になくなっていきます。人に本来備わっている創造性を削ぐことなく、能力を存分に発揮させることが、社会に活力を生むのです。

 新型コロナウイルスという未曽有の体験。「緊急事態宣言を25日全面解除の諮問」という、久々の明るい話題が聞かれます。「あれも禁止、これも禁止」という状態が続き、新しい何かを考えだそうとする「創造性」を失ってしまった人が多いのではないでしょうか。旺盛な意欲があったから事業を始めたはずです。今一番必要なのは創業当時のことを思い起こし、これから始めるという強い気持ちを持つことではないでしょうか。老子(ろうし)は、中国春秋時代の哲学者と言われていますが、確かなことはわかりません。私は、難しい書物を読む知識がないのでリベラル社のシリーズを机のそばに置いています。
コロナの後の取組みとして、販売管理データに着目しました。これまで「どこに何を売ってきたのか」そしてこれから「どこに何を売るのか」会計データと販売管理データを分析し、「現状」から「あるべき姿」を考えるべき「時」です。