ダイヤモンド社発行 2007年9月28日第1冊発行
(P15)
*松崎さん:本社営業本部からオブザーバーとして地域営業会議に参加
■解けない問題を「解けるカタチ」に変換することが、解決への第一歩である。
少し振り返ってみよう。まず松崎は、「プロセスマップをやりませんか」と問いかけた。しかし、そんな面倒なことはやりたくないと提案を避ける。ボトルネックは、そんなことをやるまでもなく明らかに「営業マン不足」だというわけだ。普通ならここで終わってしまうところだが、松崎は「では、すべての営業担当者が顧客訪問に専念したら……?」どうなるかと、重ねて問いかけていく。これまでの慣習でとらわれて固くなっていたアタマをやわらかくするために「理論値」を問いかけるというのは、ファシリテーションでは良く使うワザである。この問いかけで考えてみると、大幅にガバレッジ増やすことができることに気が付く。それまで「営業マン不足」と思い込んでいた問題が、実は営業マンが「時間の使い方」「仕事の仕方」の問題だと悟る。「営業マンを増やさなくても工夫する余地がある!」と全員気づいた瞬間から、思考が前向きに変わり始め、どうやれば、その「不可能」に見えていた問題を解決できるかという議論に変化していく。ボトルネックの理論値を割り出したとき、今回のケースでは「営業マンの数」→「営業マンの時間の使い方」へと問題を変換することができた。
ファシリテーションの勉強を始めた時、最初に読んだ本です。先日、関与先に戦略ナビ導入にあたり、社員の皆さんから「課題を引き出す」役割があり苦戦したのですが、基本はここにありました。大型連休が始まります。テーマを決めて本を読んだり、気になっていることをまとめることにしました。