朝日新聞出版 2018年3月16日 初版発行
(P48)
「経営計画書」に、5年先の目標を明記する
□「どうすれば利益が出るか」を長期的な視点で考える
武蔵野の「経営計画書」には、「当期」の経営目標(売上高、粗利益額、人件費、経費、経常利益など、51ページ参照)のほかに、「長期事業構想書」(長期事業計画)を掲載しています。
「長期事業構想書」には、「5年後」までの事業計画、要員計画、装備・設備計画、資本計画が具体的な数字となって明記されています。
「5年で売上2倍」の長期計画を立てています。「5年で売上2倍」は、「対前年比115%」で毎年、成長しなければ達成できません。
世間の会社が「対前年比102%」の計画を立てているときに、わが社は無謀にも115%の計画を打ち出しています。
経営は「目先」のことにとらわれずに、「長期的な視点で、どうすれば利益が出るか」を考えることです。
「半年後、3年後、にどうするか」を長期的に考え、「今、何をすべきか」を逆算して決定するのが正しい経営判断です。
□時代の変化に合わせて会社を作り変える
多くの社長は、「敵はライバル会社である」と考えていますが、ライバル会社は、短期的な競争相手にすぎません。
会社にとっての最大の敵は「時代の変化」です。
変化の対応を怠れば、時代に取り残されてしまうでしょう。
レコードがなかった時代、音楽が好きな人は楽団の「生演奏」を楽しんでいました。しかし、1877年にエジソンが「フォノグラフ」と呼ばれる蓄音機(レコード)に吹き込んだ音を再生する装置)を発明したことで、「レコード」ができた。
レコードが誕生した結果、楽団のマーケットは食いつぶされ、さらにそのレコードも音が飛ばない「カセットテープ」にとって代わられました。
ところが、「CD」の登場によってカセットテープは下火になり、さらにはインターネットの「音楽配信」が普及したことで、CDの売れ行きも頭打ちになりました。
「経営は環境対応業」です。
社長は、「時代がどのように変化していくか」を長期的に考え、時代の変化にあわせて、会社をつくりかえていかなければなりません。
現状に甘んじることなく、変化を続けることが会社の定めであり、社長の務めです。
「ローリングプラン」という言葉があります。中期経営計画を定期的に見直し、部分的に修正を加えていくことを指します。外部環境が短いサイクルで激しく変化する経営環境では、当初たてた長期的な経営計画が状況に適合しなくなるので、中長期的な計画を定期的に見直す必要があります。小山氏の本では「経営は環境適応業」と教えています。年115%の成長を続けることにより、5年後は売上2倍!この本を読んで刺激を受けました。