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「目標管理の教科書」五十嵐 英憲 著

ダイヤモンド社 2012年5月31日第1刷発行

(P101)
第3章 部下の意欲的かつ自律的な目標達成に向けてリーダーがすべきこと
□DOとは達成手段をやりきること
 リーダーとメンバーは、職場目標が個人のチャレンジ目標と、その達成手段を検討した。検討した過程では頭が痛くなるような場面もあったが、考える面白さも味わえるだろう。みんなでワイワイと揉み合って、最後は自分の意思を込めてチャレンジ目標と達成手段を決定したのだ。
 そういう目標だから、ある程度の納得感は持っている。「達成したい!」。あるいは「達成せねばならぬ!」という意欲や責任感の高まりも感じている。しかし、一抹の不安が残る。
 目標は立案したが、あくまでも机上のプランであり、うまくやり切れるかどうか、絶対的な自信はない。また、達成手段によっては、仕事を進めながら具体化したり、追加したりしなければならないものがあり、それができなければ期末には未達成が残っている。
 そんな不安とやる気が入り混じった状態で、チャレンジ目標のDOはスタートする。
 チャレンジ目標のDOとは、チャレンジ目標の達成手段をやりきることである。やりきるための原動力は、リーダーとメンバーの意欲的、かつ自律的な仕事ぶりにある。それが一般的に言われている「やる気」である。
 この章では、達成手段をやりきるためにリーダーがなすべきことや、やる気の換気方法を解説する。
□年度レベルの目標達成手段を細分化する
 達成手段をやりきるためには、年度レベルの目標とその達成手段を細分化、もしくは具体化し、「より短期の目標と達成手段」に置き換えて、その「Plan→Do→See」を推進する。それを「小さなPDS」「Plan→Do→See」と呼ぶ。
 短期とは丁度よい“仕事の仕切り”を意味しており、目標や手段の種類によってフレキシブルに設定するとよい。
 さまざまなケースが考えられるが、一番極端な場合は、「日々目標」の設定である。「感謝の気持ちを込めた“笑顔”と“ありがとうございます”の言葉で接客する」という類の目標は、毎日の振り返りが大切であり、一日ごとのPDSが経験的にはベストである。
 しかし、多くの目標は、仕事や個人生活のリズム感からして、1か月単位、あるいは1週間単位のサイクル展開が望ましい。

 日々目標の設定、その基本は「感謝の気持ちを込めた“笑顔”と“ありがとうございます”の言葉で接客する」その先にあるのが目標達成。逆に言えば、目標達成をするという強い信念につながっているのが“笑顔”と“ありがとうございます”という言葉の接客。この本、実は2013年に購入し、目標管理の教科書として熟読していますが、今読んでも新鮮です。来期の経営計画書をまとめている途中で読み直しました。