NHK出版 2011年6月発行
(P79~80)
以前、建築家の方から、ヒノキだけを使って育てた家よりも、スギやマツなど、種類の違う木を色々組み合わせて建てた家の方が頑丈である……という話を聞いたことがありますが、起業もそれと同じです。いろんな得意分野を持った人が集まることで、企業はより強い力を発揮することになるわけです。
セルフマネジメントによって、自分の強みを伸ばすことが大切だし、組織のマネージャーが各自の強みに注目してその部分を引き上げることが大切です。「強みを生かす」ことは、成果を上げる組織をつくる……ということになるし、さらには働く人間の「生きがい」や「自己実現」にも繋がっていきます。
【セルフマネジメントの3つの視点】
1.自らの強み「明日を支配するもの」(1999)
何かをすることに決めたら、何を期待するかを書きとめる。9か月後、1年後に結果と照合する。私自身これを50年続けている。そのたびに動かされる。誰もが驚かされる。こうして自らの強みが明らかになる。自らについて知りうることのうち、この強みこそ最も重要である。
2.自らのやり方「明日を支配するもの」
仕事の個性は、仕事につくはるか前に形成されている。仕事のやり方は、強みと同じように与件である。修正できても変更はできない。ちょうど強みを発揮できる仕事で成果を上げるように、人間は得意なやり方で仕事の成果を上げる。
3.自らの価値観「明日を支配するもの」
組織において成果を上げるには、自らの価値観が組織の価値観になじまなければならない。同じである必要はない。だが、共存できなければならない。さもなければ心楽しまず、成果もあがらない。
セルフマネジメント(自分自身をマネジメントして成果を上げる方法)については、「経営者の条件」(ダイヤモンド社2006年11月9日第1刷)に幅広く書かれていますが、100分で名著「マネジメント ドラッカー」上田敦生著に記載されていることがわかりやすかったので掲載しました。
昨日、ゴルフの日本プロ選手権で最年長(50歳92日)で優勝した谷口徹の「プロをやめるのは簡単。やめても何も変わらない。やり続けるしかない!」という言葉に感動しました。継続の基本はセルフマネジメント、戦略ナビをツールとして使います。