青春出版社 2007年1月10日 第1刷
世のマーケターが今まさに知りたいテーマに斬り込んだのが、前号の『DIAMONDOハーバード・ビジネス・レビュー』(DHBR)の特集「顧客は何にお金を払うのか」であり、まさにお金を払って買いたいと思わせた。
人が商品を購入するのは、片づけられていない「ジョブ」(問題)を解決するためであり、「ジョブ」の特定が極めて重要な起点であるという、C,M、クリステンセン教授のフレームワーク(P26)はその糸口となりえる。紙面の事例から思い浮んだのは、自社のビジネスをピープルビジネスと定義し、他のコーヒー店と一線を画したスターバックスだ。自社の価値を商品軸で定義すると、体力を消耗する価格競争に巻き込まれがちだ。One and only oneの「ジョブ」という競争軸を見出すことがイノベーションの源泉となりえる。
時代を超えた価値あるコンテンツで読者に洞察を与えるのが、DHBRの魅力だが、特集テーマに関して議論が生まれ、読者を巻き込む仕掛けがあれば、より面白い。(この後の分は、省略させていただきました)(P144. 「前号(顧客は何にお金を払うのか)を読んで」
ライフネット生命保険常務取締役 中田華寿子)
DHBRを取り上げたのは、二か月連続してタイトルにひかれたからです。
3月号 顧客は何にお金を払うのか
4月号 人材育成
会計事務所は、今、確定申告の真っただ中。あと何年このビジネスモデルは続くのか…突然変わります。それもそんなに遠い話ではありません。今回、不思議なことに事業の申告の確定申告相談の飛び込みが何件かありました。こんなことはなかったので、なぜか考えてしまいました。
平成31年に消費税が10%になると、複数税率が採用され、インボイス方式の導入が必要になると言われています。そうなったら、事業の飛び込みには対応できません。消費税アップの前に、業界のビジネスモデルは劇的に変わってしまうと考えるべきです。複数税率になったら自書申告はできないので、今から税理士事務所に頼んだほうが得策…と事業者は考えたのではないでしょうか
変わるビジネスモデルにどう対応するのか、そのために人材育成をどうするのか…中田氏の読後感に「自社の価値を商品軸で定義すると、体力を消耗する価格競争に巻き込まれがちだ」とありますが、業界は、もうこのレベルではなくなっています。今からでも、もう遅いという危機感をもちました。