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週間ダイヤモンド2016年9月10日号『現代に通じる「不敗の戦略」孫子』

週間ダイヤモンド2016年9月10日号

週間ダイヤモンド2016年9月10日号『現代に通じる「不敗の戦略」孫子』伝統か変化か・・・。名刺や封筒のメーカーとして知られる山櫻の市瀬豊和社長は、「同族企業では変えることと変えないことの線引きが難しい」と本音を漏らす。
そんな市瀬社長が経営判断で迷ったときに参考にするのが孫子の兵法。特に市瀬社長が経営に生かしたのが、孫子の「戦わずして勝つ」という考え方だ。名刺や封筒の業界は紙という製品の特質上、競合との差別化が難しく、価格競争になりがちだ。
そこで市瀬社長は、2012年から山櫻の経営ドメイン変更に踏み切った。「山櫻は名刺や封筒を通して、人と人との“出会い”を提供していた(市瀬社長)ことに気づき、「紙製品の総合メーカー」から「出会ふをカタチに」を経営ドメインとする「出会い創造メーカー」を目指したのだ。
 “出会い”にフォーカスすることで、名刺や封筒以外の製品も多く手掛けることになった。例えば、組み立て式写真立ての「フォカド」。写真を入れて手渡した封筒を組み立てると、メッセージ付き写真立てに変身するという商品で、テレビや雑誌で取り上げられ、業界内で話題になった。
13年には、こうした付加価値の高い紙製品のブランド「+labプラスラボ」を立ち上げ、更なる新規顧客の開拓にまい進。実際、名刺や封筒といった従来のコア事業以外の成長は著しく、15年は09年比で約200%の売上を記録している。既存の事業領域にとらわれることなく、山櫻はこれからも変化し続ける。(P52「山櫻」戦わずして勝つ 新市場開拓で成長持続)

本ではなく雑誌です。さらに、孫子ではなく事業ドメインです。
事業ドメインのことがもっと知りたくて本を読んでいます。最近読んだのは、日本の経営学者榊原清則氏の「企業ドメインの戦略論~構想の大きな会社とは~」です。2013年に発行された本ですが、電子書籍よりありませんでした。
これまで読んだ本の中では、私にとってわかりやすく事例も多く記載してあるのですが、大企業の事例が中心なので、以前読んだ、週刊ダイヤモンドの記事を思い出し書きました。
「山櫻」はHPを見ると、1931年銀座(木挽町)に市瀬商店を創業。名刺・はがき・挨拶状など台紙紙類の販売をする会社でした。創業80周年のサイトをみると2008年からインターネット通販を始めています。
会計事務所の顧客である、小規模事業の経営者に事業ドメインをわかりやすく伝えたいと考え、関連する本はこれからも読み続けます。ドメインの定義をしてからビジョン→経営戦略→経営計画と進むのが、定石です。