講談社+α新書(2016年7月発行)
(1)国内は人口言でも世界は人口増
人口の推移はもちろんのこと、世界経済全体に大きな影響を与える。日本国内は2010年の1億2806万人をピークに減少に転じ、少子高齢化が深刻な問題となりつつある。一方、世界全体では人口が急増している。国連の統計によれば、2012年に70億人だった人口は、2025年に80億人になる。単純に集計すると、毎年一年間で7700万人増加することになる。ドイツの人口が8100万人で恵フランスの人口が6600万人、7700万人というのはヨーロッパの大国一つ分に当たるのだ。そして、2050年には97億人となる見込み。
これだけ人口が増加すれば、様々な問題が生じる。その問題を解決そるところに、または問題を未然にフセグところにビジネスチャンスがある。それでは、人口急増に対応するビジネスを紹介しよう。
(第一章 世界の人口爆発にかつ企業 P16)
この本は、企業の経営者に対し「勇気」を与えてくれます。
・少子高齢化が進むことにより、市場はシュリンク(ビジネスが縮小)する
・環境変化への対応に大きな課題があり、事業継続や雇用の維持は困難
私もそうですが、多くの経営者はそのように考えています。
入ってくる情報は、「内閣府は2016年5月、2016年版の高齢化社白書を発表しています。それによると2060年時点では全人口の39.9%が65歳以上となり、2015年時点の26.7%から比率の上で5割増しに増える形になる。より高齢な75歳以上(後期高齢者)に限れば12.9%から26.9%と、2倍以上になる。」という統計結果で、私はそれを受けて、外部環境の変化を考えなければならないという固定観念にとらわれていました。この本を読み認識が大きく変わりました。
著者は前書きに、「本書はビジネスマンが取引先や提携先を探すときに役立つ。転職を考えているビジネスマンにも読んでいただきたい。有名でなく手も、転職先としてすぐれた企業が見つかるはずだ。」と書いています。私は、これを企業経営者の視点で考え、これから自社の事業領域を考えなおすため(事業領域の再定義)、どんな企業に着目し、どんな取引先とアライアンスを組めばいいのかを考えるヒントがあることに気づきました。何回かに分けて、この本に書いてあることをもとに、考えてみることにします。