PHPビジネス新書発行 2021年3月11日第1版第1刷 2021年5月25日第1版第4刷発行 P204
□「不要不急」だが「大事なもの」
2020年12月26日付の朝日新聞に、京都大学名誉教授・佐伯啓恩氏が、1年を振り返って紀行されていた。氏は、この年よく使われた言葉「不要不急」と反対語「必要火急」を題材に論じる中で、次のように述べた。「(このコロナ禍で)我々は、「必要なもの」と「不要なもの」の間に、実は「大事なもの」があることを知った」。
氏はその「大事なもの」を、「信頼できる人間関係、安心できる場所、地域の生活空間、なじみの店、医療や介護の体制、公共交通、大切な書物や音楽、安心できる街路、四季の風景、澄んだ大気、大切な思い出」と列記していたが、2020年、ワクワク系の現場には、そういうものがあった。
業種を問わず、BtoB、BtoCを問わず、2020年3月以降共通して見られたこと。それは「不要不急」なビジネスを営む方が多いワクワク系の店舗や会社が、強く支持されていく姿だった。
人が商品やサービスを買い、店を利用するのは、必ずしも「必要火急」だからではない。人としてより良く生きるためのエネルギーを得るためだ。そして生きることが決して楽ではないこの社会において、「生きるエネルギー」を提供するすべてのひとや企業は、深く感謝され、ビジネスとしての恩恵も受けるだろう。
2020年は、人が「大事なもの」に気づいた年だったと佐伯氏は言うが、まさにそうだった。そしてその気づきは一過性のものでなく、元にも戻らない。コロナが連れてきたものは未来だったからだ。
だからあなたのこれからは良いものになる。新しい社会にとって「大事なもの」が何かが明確になり、道は開けたからだ。
あとはその道を、ともに歩む多くの仲間の息吹を感じながら、あなたも歩んでいけばいいのである。
この本は、未来会計コンサルティング(神奈川)が実施した講演会で知りました。講師の日下智晴氏は金融庁地域金融企画室長。テーマは「ポスト金融検査マニュアル時代の積極的企業支援へのパラダイムシフト」。金融検査マニュアルを廃止し、「金融機関は「企業の事業内容や成長可能性等を適切に評価(事業性評価)し、それを踏まえた解決策を検討・提案し、必要な支持等をおこなっていくことが必要である」という金融庁モニタリング基本方針を示した方です。 講演の中で紹介いただきました。
著者の小坂裕司氏はオラクルひと・しくみ研究所代表。成功事例として(本の帯から転載)以下のことが具体的に記載してあります。
★営業自粛でも前年比150%を達成したレストラン
★「深夜営業NG」でも売り上げを維持したバー
★取引先五が次々とファンになるBtoB企業 etc
顧客消滅時代には、自社の価値観をしっかりと発信し、ファンに共鳴してもらうファンダム作りが重要になる。今、デジタルに偏りすぎている。リアルは「安心、元気づけられる、命とつながっている」という良さがある。誰かにとって価値あるものを届け、対価をもらうことができる。生きるために価値あるもの なくならないはず、それが今危うい……YouTubeでも厚く語っています。
https://kosakayuji.com/202102book.php
ファンダムを作り、顧客との「絆」の深め方を学びました。ワクワクしながら一気に読むことができました。お勧めです!