今日の1ページ

『アンラーン戦略』過去の成功を手放すことでありえないほどの力を引き出す パリー・オライリー 著 中竹竜二 監訳 訳者 山田あゆ子

ダイヤモンド社発行2022年11月8日第1刷 P102

必要な条件③ 小さく始めること。あなたが考えるよりもっと小さく
「これから8週間で顧客維持率を15%上げる」という願望に戻ろう。どういうステップから始めるか決めるとき、たいていのクライアントが思いつくステップはあまりに大きすぎる。大きな一歩で解決策に飛びつき、それを一連のタスクに分解して実行しようとする。小さなステップに絞り込んで実験し、少しずつ成長しようとはしない。成功を、あらかじめ決めたタスクをすべて完了することと定義し、」少しずつ成長しようとはしない。前進しながらコースを修正することで新しい行動をつくり上げようとはしない。
 抜本的な解決策に向けてタスクを列挙しても、再学習することはできない。それこそが再学習すべき考え方だ。高いレベルの願望や結果に所言う点を合わせ、そこに向けて一歩一歩小さなステップを進めるのだ。そうすることで、自分の望む結果、そのための小さなステップが妥当であることが確認でき、行きたい場所に向けて正しい道を歩いていることが証明できる。
 たとえば、もっと健康的で活動的な生活を送りたいと願いながら、何から始めればいいという人が多い。人一倍野心的な人は、「半年着にフルマラソンに出る」という目標を立てる。ほとんどの人にとってこれは、不可能とは言わないまでも、あまりに楽観的な目標だ。この野望のおかげで、悪名高い「ソファからマラソンへ」のトレーニングプログラムができた。どんな人でも半年以内に、まったく走れない状態からフルマラソン完走者になれることを約束する、というプログラムだ。
 では、そのプログラムはどう始めればいいのか?ソファから立ち上がって、マラソンはおろかハーフマラソンさえも。1マイルも走ることなく始められると言ったら驚くだろうか(ホッとするかもしれない)。とても小さな一歩から始まるので、実行するのが簡単なのだ。初めは、ソファから立ち上がって家の周りを10分歩くだけ―過酷なところはまったくない。それからセッションのたびに、たとえば時間を10分から13分へ、歩くだけから軽いジョギングを交えるというふうに、ゆっくりと。小さく、少しずつ難易度を上げていく。こうすることによって、半年にあいだに、持続的にゆっくりとマラソンを走れるようになる。
 ソファから立ち上がってもいないときに、半年後にはフルマラソンを走ろうというのは大きく考えることであり、近所を歩こうというのは小さく始めることになる。大きな願望をかなえるために必要と燃えることよりも、ずっと小さい。だが。こんな簡単な行動に乗り出すことで、ゴールへと向かう道を歩き始めたことになり、そこから上り始めることができるのだ。

 『アンラーン戦略』は著者が考えたアンラーンサイクル(脱学習―再学習―ブレークスルー)を繰り返し、ステップアップを図ることにより目標を実現する「成長戦略」を学ぶ本です。
 目標を実現するためのアクションプランにこだわり、業績評価指標(KPI)を追いかけてきました。本に記載があるように「成功を、あらかじめ決めたタスクをすべて完了することと定義し、少しずつ成長しようとはしない。前進しながらコースを修正することで新しい行動をつくり上げようとはしない。」
 戦略の実行には適切なKPIが必要、KPIを実現するには決めたタスク(大きな目標)のみを追いかけるのではなく、小さく始めること、考えるよりもっと小さく始めることが大事と学びました。顧客維持率をUPするためには、その障害になっている課題を見つけ、その課題を解決するために取り組むべきこと、取り組むための障害を取り除くことから始める必要があります。

『変化を嫌う人を動かす』ロレン・ノードグレン+ティヴィット・ションタル 船木 賢一(監訳) 川崎 千歳(訳)

草思社発行 2023年2月23日第1刷 2023年4月25日第2刷発行 P155

デザインをシンプルにする
  製品に機能を追加できるからといって、そうするべきとは限らない。多くの機能を搭載した製品は、ユーザーが混乱するほどインターフェースが複雑になりがちで、その結果、「労力」面」(時間とエネルギー)と「感情」面(困惑間)を招くことになる。シンプルさの原則が実践されている最たる例は、グーグルの検索ページだ。Yahoo!の検索ページと比較してみればよくわかる。確かにグーグルの検索ページは見た目が特に魅力的という訳ではないが、始めて訪れた人が使い方に茫漠感を抱くことはまったくない。このシンプルさは、変化の絶えない検索エンジンの世界で変わることのないグーグルの競争優位の一つだ。サイモン・キングはこう指摘することを忘れていない。「シンプルであるということは、必ずしも少ないという意味ではない。本当の意味は、ユーザーが取り返しのつかないうっかりミスをすることがほとんど不可能になるように、新しい体験をデザインすることなのだ」

 久々の「今日の1ページ」です。本は読んでいたのですが「壁」に直面!自分でやりたいことが本当は「何」なのかわからないまま過ごしてきました(今もそうですが…)。昨年、毎月数多く出版される新刊書の中から、アイデアに溢れ内容が新鮮な本を厳選して紹介する月刊誌『TOPPOINT(トップポイント)』購読を始めました。この本は、その紹介で知りました。「新しいことを始めようとしているなら必ず読むべき本だ」フィリップ・コトラーが推薦しています。私が最近テーマにしていることは「シンプル」です。シンプルを説明している、サイモン・キングは動物カメラマン「発明と実験、あとは寝て待つそれが野生動物カメラマン」という言葉も見つけました。