リベラル社刊(2016年10月)
情報収集に手を尽くすことが、大きな利益につながる
爵禄(しょくろく)・百金(ひゃっきん)を愛(おし)んで敵の情を知らざるものは、不仁の至りなり(用間編)
事業活動のための管理手法として「PDCA」というものがありますが、その最初のプラン(計画)を行う前に必要なのが、情報収集です。利益というのはすぐに生じるものではないので、計画段階で情報収集に予算を欠けることには抵抗があるかもしれません。しかし、ビジネスにおいて情報は不可欠なもの。情報がなければ適切に計画を立てることもできず。その後のサイクルも不完全なものになってしまう。十分勝算の見込めるプロジェクトなら、情報収集のための手間やコストを惜しまず。制度を高めていきましょう。
孫子の本は、書棚に何冊かありました。
「最高の戦略教科書 孫子」日本経済新聞社
「孫子とクラウゼヴィッツ」 マイケル・I・ハンデル著 日本経済新聞社
「世界最古の兵法書 孫子」 中谷孝雄著 ㈱ニュートンプレス
残念ながら、どれも完読していません(汗
最近新聞に「こども孫子の兵法」という本が紹介され、書店でみました。著者の斉藤氏は、子供に強くしなやかなこころで生き抜くヒントを手に入れて欲しいと「はじめに」の部分に書いています。今日の1ページの本は、買った本を完読するために、分かりやすい本から読んでみようと考え、買いました。
孫子はPDCAも考えていたのか・・・と感動し、書棚から「世界最古の兵法書 孫子」で用間(間諜の陰謀)P113を確認してみました。本には、戦いの前には間諜を使い、敵の情報収集を徹底すべきである。軍の動員には、国民の出費と多額の軍事費を使うことになる。戦いに負けることになれば、国民は疲れ果て、路上にぐったりした姿をさらし、家業に手が回らなくなる。間者に与える百金を惜しんで情報収取をおろそかにしてはならない。と、書いてありました。
著者の野村氏は、元大学の教授で「ビジネスに役立つ論語」「ビジネスに役立つ菜根譚」という本も書いておられます。だから、ビジネスの視点で「孫子」の兵法をとらえていたんだ・・・と理解できました。
2016年9月10日号の週刊ダイヤモンドでも、孫子の特集を組んでいます。そして、なぜ今「孫子」なのか、について「一派な戦略論はいかに勝つべきかが主眼となるが、孫子は「不敗」の戦略で貫かれている。勝てない戦いはするな。もし戦うなら犠牲は最小限にせよ。当たり前だがなかなかできないことを孫子はずばり指摘するのである」と解説しています。P29
孫子の本を読み、「戦わずして勝つのが、真の勝者」という言葉の理解を深めたいものです。