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「子や孫に読み聞かせたい論語」安岡定子著

幻冬舎 2011年10月5日

「子や孫に読み聞かせたい論語」安岡定子著志をもって生きる
師曰く
吾十有五にして学に志す。
三十にして立つ。
四十にして惑わず。
五十にして天明を知る。
六十にして耳従う。
七十にして心の欲する所に従えども、矩を超えず。

孔子先生はおっしゃった。「私は十五歳で学問に志し、三十で自立した。四十歳で物事の道理がわかり、心の迷いがなくなり、五十歳で天から与えられた自分の使命・運命について自覚した。六十歳でどんなことでもよく理解できるようになり、七十歳になり、自分の思いのままに行動しても、人の道を外れることがなくなった」
(P.30)

ピンチになった時、知人が、師曰く・・・という言葉をメールで送ってくれました。論語の勉強はしたことがありません。ずっときになっていて、長崎で孔子廟に行ったとき、この言葉と再び出会いました。それからわかりやすい論語の本はないかと探していたのですが、やっと見つかりました。子や孫に読み聞かせたいというタイトルに惹かれました(笑)。著者が、安岡正篤師の次男・正泰氏の長女です。バックにいれて、時々読み返すことにしました。

「ちいさくてもいちばんの会社」坂本光司&坂本光司研究室著

講談社2012年7月発刊

「なぜこの店では、テレビが、2倍の値段でもうれるのか?」でんかのヤマグチ代表取締役 山口勉過疎地の小規模スーパーで生まれた住民思いのおはぎ
株式会社さいち
宮城県仙台市の中心部から車で40分ほど走った秋保温泉入口に、小さな食品スーパー。
□きっかけと道程
 手作りおはぎの販売は、惣菜づくりの一環として八一年(昭和56年)から細々とスタートしました。おはぎを作るきっかけは、地元の顧客から「東京に嫁にいった娘が孫を連れて帰ってくるので、昔食べていたおはぎを孫たちにも食べさせてあげたいが、どうしてもうまくつくれない」と相談を受けたことでした。何とかお店を盛り上げたいと考えていたときでもあり、チャレンジすることにしました。
 奥さんである専務の悪戦苦闘が始まりました。「二個も三個も食べたくなるものを」「お腹がすいているときは何個でも食べられるものを」と約一か月間、ほぼ不眠不休で作っては捨て、つくっては捨ての繰り返しで作り上げた味なのです。

「日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版)の著者坂本光司教授の本です。「さいち」はNHKのプロフェッショナルの技で初めて知りました。「さいち」の代表的な特徴は、当店で販売している大半の商品が手作りの自家製品ということや、惣菜部門の比率が一般のスーパーと比較して、極めて高いことです。(P153)と書いてあります。小規模でも生き残れる秘訣がここにあります。顧客の求めるものを提供するために、「あきらめずチャレンジする!」大事なことを教えてもらいました。いつか行ってみたいと思いました。

「なぜこの店では、テレビが、2倍の値段でもうれるのか?」でんかのヤマグチ代表取締役 山口勉 (2)

日経BP社 2013年2月発行

「なぜこの店では、テレビが、2倍の値段でもうれるのか?」でんかのヤマグチ代表取締役 山口勉月次では遅すぎる
「日次決算」で当たり前
□今では「粗利39.8%」になりました
 量販店に負けないために、安売りはしない。あえて逆に「高売り」する。そう心に決めた私が切実に知りたくなったのが、日々の活動で、どれだけ利益がでているかでした。
 それまでは業績を月次で管理していましたが、特に問題はありませんでした。しかし「高売り」作戦を実施するにあたって、月次管理ではあまりにも遅すぎると思いました。
 高売りを始めた途端、次ぎの日から全く売れなくなるのではないか。正直に言って、そんな心配がありました。どれだけ高くしたら、どれぐらい売上が落ちるのか。毎日数字を確かめたいと思ったのです。
 この「高売り」は1996年当時の25%から、10年がかりで35%に引き上げる作戦です。当然、一朝一夕にはいくわけがありません。日次管理に切り替えたのは、こうした理由からでした。この日時管理を私は「日次決算」と名付けました。ヤマグチでは毎日が決算日、そんな気持ちから命名したのです。

日次決算の経営資料は、①担当者別売上リスト、②担当者別粗利グラフ、③商品別売り上げリスト、④商品別粗利グラフ、⑤販売先別売上リストの5つの資料です。特徴的なのは、「売上」とは販売額ではなく、「粗利益額」と定義していることです。そして本には、各資料のチェックと判断の基準までが書いてあります。毎日見ることにより、問題点がすぐわかり、異変を感じたらすぎ手を打つことができるようにしてあります。

「なぜこの店では、テレビが、2倍の値段でもうれるのか?」でんかのヤマグチ代表取締役 山口勉

日経BP社 2013年2月発行

「なぜこの店では、テレビが、2倍の値段でもうれるのか?」でんかのヤマグチ代表取締役 山口勉「でんかのヤマグチ」は、東京都町田市にある小さな家電販売店です。
この地で私は48年間、商売を続けてきました。かつてバブル経済のころに複数の店を出したこともありますが、今は町田市郊外の1店舗崖です。2012年3月期の売上高は12億4千万円。最終利益は3000万円ほどです。ごく一般的な零細企業と言っていいかもしれません。
社員は40人ほど、そのうち、15人ほどが訪問販売の営業担当員です。この社員たちは、お客様の自宅を定期的に訪問し、テレビや冷蔵庫、エアコンといった家電を売っています。店舗はスタッフ8人。修理部門の社員が4人、残りが総務・経理等本社の社員です。創業以来、「お客様は待っていても店には来てくれない」と、訪問営業に力をいれてきました。訪問営業と店舗営業の売上比率は65対35になります。
一見、何の変哲もない町の電気店に注目いただいているのは、「このデフレ時代に、安売り競争をせずに高い値段で商品を売っているのもかかわらず、生き残っている電気店があるという点でしょうか。
しかも、東京・町田はヨドバシカメラ、ヤマダ電機等が密集する家電激戦区です。価格競争で抜きん出た、これらの大手を無効に回して、なぜ小さな店が生き残れるのか?

私は、40年前SANYO電気の販売会社に勤めていた経験があります。当時は、「サンヨウ薔薇チェーン」という名称で販売店を系列化し、商品、販売促進、経営情報を提供するという仕組みで、メーカーが販売店の経営状況を把握するという仕組みがとられていました。今は、量販店の台頭で系列店が姿を消し、メーカーの存在すら危うくなっています。その時代に「でんかのヤマグチ」は「もう安売りはしない」という独自の戦略で勝ち残っています。