発行者 橋詰守 発行 株式会社ロギカ書房 2022年2月1日初版発行 P76
マーケティングの定義
ここでは、マーケティングの定義について一緒に考えていきましょう。
マーケティングについて考えるにあたって、ドラッカーの経営理論が非常に参考になりますので、まずはドラッカーの企業の目的に関する理論から見ていきます。
ドラッカーによると、企業の目的は「顧客の創造」とされています。
顧客の創造とは、お客様をつくること、マーケットをつくること、市場を作り出すことです。
ドラッカーの言う顧客の創造という言葉を「お客様作り」とやさしく表現されたのがランチェスター経営で有名な竹田洋一先生です。
お客様に喜んでもらい、お金を払ってでも欲しいいと思う人たちをたくさん作り出すことが企業の目的ならば、マーケティングは企業の目的を表年するための活動と考えていいでしょう。
そこで、顧客の創造あるいはお客様作りに関わるあらゆる活動を「マーケティング」と定義付けておきたいと思います。
ランチェスター理論に基づくマーケティング理論=竹田陽一
お客様をつくる活動にはどのようなものがあるか、さらに具体的に見ていきます。
竹田先生によると、お客様作りについて非常に重要なことが2つあると言います。
1つ目は商品対策です。つまりいかに強い商品を作るかです。
2つ目は、いかに強い営業体制を作るかという、営業対策です。更に営業対策を4つに分けます。商品対策で一つ、営業対策で4つ。併せて5つの項目を考えることになります。これが社長の考えるマーケティングの具体的な対策です。
まず1つ目は、商品対策、強い商品作りです。
2つ目が営業対策の1番目、営業地域対策です。どの地域にマーケットを絞り込むかということです。現代はインターネット時代で、この営業地域という概念は薄れてきているのですが、その場合はインターネットで「見込み客が検索するキーワード」に置き換えればいいでしょう。
営業対策の2番目は客層・ルートです。どんなお客様に対して売るか、お客様の客層を絞り込む。例えば、会社がメーカーの場合、製品を最終的に消費するお客様との距離が遠いなら、その間に中間業者が存在します。どのようなルートで売るかというルート対策です。
営業対策の3番目は新規の獲得です。
営業対策の4番目が顧客維持です。一旦獲得したお客様を湧出させずに、いかに長くお付き合いしていただくか、顧客維持の活動・対策があります。
以上の5つが、竹田先生のランチェスター戦略に基づくマーケティングの具体的な分解です。
3C分析
さらに、重要な理論があります。それは3C分析と言います。3つの頭文字で始まる要素です。
1つ目は、カスタマー又はクライアントです。これは顧客です。
2つ目は、コンペティターで競合他社、ライバルです。
3つ目は、カンパニーで自社、企業です。
例えば、自社の強みを競合の弱みにぶつけることで、自社が共創優位に立てる可能性が高まります。そのために、顧客のニーズだけでなく、自社と競合の強みと弱みを詳しく分析する必要があるというのが3C分析のポイントです。
ランチェスター戦略の5つの対策に続いて、3C分析の戦略フレームが重要なのだということを心にとめておいてください。
集客×販売×商品 マーケティングの4P
私が2020年にマーケティングの専門家のセミナーを受けたときに非常に共感した理論があるので、これもご紹介します。
(中略)
マーケティングの4Pと言われる理論です。Pの頭文字で始まる4つの要素があります。
1つ目のPは、プロダクトです。プロダクトというのは製品です。
2つ目のPは、プライスです。価格です。
3つ目のPは、プレイスです。これは流通で流通戦略です。
4つ目のPは、プロモーションです。販売促進です。
プロダクト(製品)、プライス(価格)、プレイス(流通)、そしてプロモーション(販売促進)という4つの側面から企業戦略を見ていくということも大事だと言われています。
(攻略)
新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、先行きが見通しにくい厳しい経営環境です。今、小規模企業者に必要なことは、外部環境の変化や消費者の新たなニーズを捉え事業の見直しに取り組むこと。この本のP84では「マーケティングは、お客様のニーズの変化に合わせる活動」と説明しています。「税理士が経営参謀になる極意」を書いた本ですが、経営者の皆様が読んでもわかり易い本でしたのでご紹介します。Amazonで買いました。蛇足ですが、誤字(校正ミス)を見つけて嬉しくなりました。