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「4倍速で結果を出すチームリーダーの仕事術」株式会社あしたのチーム 代表取締役会長 高橋 恭介 著

㈱PHP研究所 2019年3月19日第1版第1刷発行

(P26)
◆なぜPDCAがうまく回らないのか?
 チームリーダーが、4倍速でマネジメントサイクルを回していく際に基本となるのが、PDCAです。PDCAは言うまでもなく「Plan」「Do」「Check」「Action」
の頭文字をとったものであり、ビジネスを行う際の基本ですが、うまく回すことができていない企業や組織が多いと感じています。
 本書では、第3章から第6章までの四つの章で、「4倍速のチームリーダーになるために、PDCAのそれぞれを段階で行うべきこと」を解説していきますが、ここ(序章)ではPDCA全体に対する私の考え方を簡単に述べておきたいと思います。
 PDCAをうまく回すことができていない企業を見ていると、そもそもPDCAを1周回すことができていないケースがほとんどです。
 たとえば、Planとして目標や計画を立てても、その目標や計画が適正かどうかの議論や検証に終始してしまい、Doが行われていないケースが散見されます。いわば、PCPCの連続で、大事なDoがないのです。これは、大企業に多いケースなのかもしれません。
 これに対して、中小企業でよく見かけるのが、PDPDの連続でCheckがないケースです。Cがないために、目標や計画に対しての実行度合の評価や検証が行われていません。これでは、目標が高すぎたり低すぎたりしても、それに気づくことができないだけでなく、実行段階のやり方の何が良く、何が悪かったのかもわかりません。
 Cがなければ、Actionとしての改善もありませんから、いわゆる「やりっぱなし」になってしまうためレベルが上がっていかないのです。PDPDでは同じところを行ったり来たりしているだけです。
 同様にPDCAを形式上は回せていても、それがレベルアップにつながっていないケースあります。これは、CAが形ばかりで質が悪いのです。これでは、せっかくPDCAを回しても意味がありません。PDCAは本来、らせん階段を上るように回転すればするほど上へ上へと上がっていくべきものなのです。

 「あしたのチーム」人事評価で良く聞く名前です。前回の武蔵野小山社長の本と同じくおすすめの本です。私が今、興味を持っているのは、スピード感のあるPDCA。4倍速のPDCAとは、1年を4半期にわけ3ヶ月単位でPDCAを回すという意味でした。詳細は、本で確認してください。PDCAを回す前にリーダーとしてどうあるべきか、という事もわかりやすく書いてあります。高橋会長の本は以前「人事評価制度だけで利益が3倍上がる!」を読んでいます。この本も勉強になったのですが、以前から学んでいる成長支援制度と似ているので同じような考えだな…という程度に理解しただけだったのですが、「4倍速で成果を出す…」を読んで違いが良くわかりました。「明日の人事評価」の前提には会社が成果を出すための仕組みがあります。読んで実践する価値があります。いい本に出会えました。

「最強の経営計画」小山 昇 著

朝日新聞出版 2018年3月16日 初版発行

(P48)
 「経営計画書」に、5年先の目標を明記する
□「どうすれば利益が出るか」を長期的な視点で考える
 武蔵野の「経営計画書」には、「当期」の経営目標(売上高、粗利益額、人件費、経費、経常利益など、51ページ参照)のほかに、「長期事業構想書」(長期事業計画)を掲載しています。
 「長期事業構想書」には、「5年後」までの事業計画、要員計画、装備・設備計画、資本計画が具体的な数字となって明記されています。
 「5年で売上2倍」の長期計画を立てています。「5年で売上2倍」は、「対前年比115%」で毎年、成長しなければ達成できません。
 世間の会社が「対前年比102%」の計画を立てているときに、わが社は無謀にも115%の計画を打ち出しています。
 経営は「目先」のことにとらわれずに、「長期的な視点で、どうすれば利益が出るか」を考えることです。
 「半年後、3年後、にどうするか」を長期的に考え、「今、何をすべきか」を逆算して決定するのが正しい経営判断です。
□時代の変化に合わせて会社を作り変える
 多くの社長は、「敵はライバル会社である」と考えていますが、ライバル会社は、短期的な競争相手にすぎません。
 会社にとっての最大の敵は「時代の変化」です。
 変化の対応を怠れば、時代に取り残されてしまうでしょう。
 レコードがなかった時代、音楽が好きな人は楽団の「生演奏」を楽しんでいました。しかし、1877年にエジソンが「フォノグラフ」と呼ばれる蓄音機(レコード)に吹き込んだ音を再生する装置)を発明したことで、「レコード」ができた。
 レコードが誕生した結果、楽団のマーケットは食いつぶされ、さらにそのレコードも音が飛ばない「カセットテープ」にとって代わられました。
ところが、「CD」の登場によってカセットテープは下火になり、さらにはインターネットの「音楽配信」が普及したことで、CDの売れ行きも頭打ちになりました。

「経営は環境対応業」です。
社長は、「時代がどのように変化していくか」を長期的に考え、時代の変化にあわせて、会社をつくりかえていかなければなりません。
 現状に甘んじることなく、変化を続けることが会社の定めであり、社長の務めです。

 「ローリングプラン」という言葉があります。中期経営計画を定期的に見直し、部分的に修正を加えていくことを指します。外部環境が短いサイクルで激しく変化する経営環境では、当初たてた長期的な経営計画が状況に適合しなくなるので、中長期的な計画を定期的に見直す必要があります。小山氏の本では「経営は環境適応業」と教えています。年115%の成長を続けることにより、5年後は売上2倍!この本を読んで刺激を受けました。

「ビジネスフレームワーク図鑑」株式会社アンド 著

翔泳社発行2018年8月29日初版第1刷発行

(P18) Step1 問題をあぶりだす
 問題を発見するための最初のステップでは、あるべき理想の姿と現状を書き出し、そのギャップを把握・整理します。あらゆる問題解決はこの作業から始まり、ギャップを埋めるためにどのようなことに取り組むのか、どんな体制で実施していくのかを設計していきます。データや頭の中から、想定される問題を網羅的に書きだしていきましょう。
□問題とは、あるべき理想の姿と現状のギャップ
 まず、「問題とは何か」という概念を押さえておきましょう。例えば「売上を月に1,000万円あげたい」という理想の姿を描いたとして、現状の売上がつき500万円だとすると、そこには「500万円不足している」というギャップが存在しており、そのギャップのことを「問題」と呼びます。また、「クレーム0件」を理想としていて、実際には10件のクレームが発生しているのであれば、「10件のクレームが発生している」というのもギャップであり、問題ということになります。
□問題と課題の違い
 問題と課題の違いについても述べておきます。例えば、前述のように「売上を月に1000万円上げたい」けれど、「500万円不足している」という問題が存在しているとします。この場合、その問題を解決していくために必要となる「営業訪問先を10社増やす」等の具体的に取り組むことが「課題」です。問題解決の現場においては、まず問題の明確化があって、その後に課題の設定、さらに解決策の策定と実施、という流れが続いていくわけです。

 この本は、KPI作成のステップについてネットで検索して見つけました、「翔泳社 ビジネスフレームワーク図鑑」で検索できます。パワーポイントのフォーマットと使い方がわかりやすく解説しているので便利です。以前紹介した「最高の結果を出すKPIマネジメント」を読み直し、自社の目標を達成するため、P197にある「KPIマネジメントの正しいステップ」にあてはめ、KGIの確認→ギャップの確認→プロセスの確認と進み、「壁」にぶつかってしまいました。「問題・課題」の発見整理にフレームワークを活用するのは便利です。

「AI失業」前夜、これから5年職場で起きること 鈴木 貴博 著

PHPビジネス新書 2018年7月2日 第1版第1刷発行


第7章10年後でも生き残れる「3つの人材」
―この先、どのような仕事を選ぶべきか
人工知能がこれからの10年間に「できない」仕事を目指す (P222)
 さて、これからの10年間で生き残れる仕事という観点では事業開発以外の2番目の切り口も有望だ。それは汎用型人工知能が登場しない限りは人工知能にはできないことに強くなるという発想である。つまり当面の間、人間にしかできない能力において誰よりも強みを持つ事を目指すという考え方だ。
 そして、これから先の10年で人口知能がどうしても人間には勝てないのがコミュニケーション能力である。
 他人から共感を得る。他人の心をゆさぶる。他人と心を通わせる。他人を動かす。こういった人間の心に働きかける仕事は、これから10年間、人口知能に奪われることはない。そして、どの職業や職種につくかという解決策ではなく、どのようなスキルを社会人としてのコンピタンス(強み)として磨くかという観点での解決策になる。
 コミュニケーション力をコンピタンスにするということは言い換えると、若いうちは職場の中で「理解の早い部下」「先回りして行動できる部下」という評判を勝ち取ることであり、キャリアが進むうちに「若手社員のインフルエンサー」「リーダーシップのある上司」「多くの人間を組織化して求めることができる貴重な部門長」というようにその立場を段階的に高めていくことになる。
 そしてこのようなコンピタンスを持つ人材こそが、今、最も多くの企業においてのどから手が出るほど欲しい人材、言い換えると不足している幹部人材なのである。
 そうなってきた最大の原因は、実は過去30年間起きてきた従業員の非正規労働化にある。

 この本は、ジュンク堂で見つけました。AI失業は金融と運輸から始まる…P43を読みそのことも良くわかりました。5年などたいした変化は起きないのでは…先行き不透明なので、外部環境の変化は、現在の状況から推測される範囲で考えようと思っていましたが大きな間違いでした。自動車がすべてを人工知能で完全に運転できるようになれば、世界の運輸市場と物流市場は革命がおきます。それが、2022年から始まります。会計事務所の業界もこれから大きく変わります。戦略ナビCloudはどうなるのでしょうか?この本を読み、組織のコミュニケーション力を高めるツールとして、活用事例を積み上げていきたいと思いました。

「目標管理の教科書」五十嵐 英憲 著

ダイヤモンド社 2012年5月31日第1刷発行

(P101)
第3章 部下の意欲的かつ自律的な目標達成に向けてリーダーがすべきこと
□DOとは達成手段をやりきること
 リーダーとメンバーは、職場目標が個人のチャレンジ目標と、その達成手段を検討した。検討した過程では頭が痛くなるような場面もあったが、考える面白さも味わえるだろう。みんなでワイワイと揉み合って、最後は自分の意思を込めてチャレンジ目標と達成手段を決定したのだ。
 そういう目標だから、ある程度の納得感は持っている。「達成したい!」。あるいは「達成せねばならぬ!」という意欲や責任感の高まりも感じている。しかし、一抹の不安が残る。
 目標は立案したが、あくまでも机上のプランであり、うまくやり切れるかどうか、絶対的な自信はない。また、達成手段によっては、仕事を進めながら具体化したり、追加したりしなければならないものがあり、それができなければ期末には未達成が残っている。
 そんな不安とやる気が入り混じった状態で、チャレンジ目標のDOはスタートする。
 チャレンジ目標のDOとは、チャレンジ目標の達成手段をやりきることである。やりきるための原動力は、リーダーとメンバーの意欲的、かつ自律的な仕事ぶりにある。それが一般的に言われている「やる気」である。
 この章では、達成手段をやりきるためにリーダーがなすべきことや、やる気の換気方法を解説する。
□年度レベルの目標達成手段を細分化する
 達成手段をやりきるためには、年度レベルの目標とその達成手段を細分化、もしくは具体化し、「より短期の目標と達成手段」に置き換えて、その「Plan→Do→See」を推進する。それを「小さなPDS」「Plan→Do→See」と呼ぶ。
 短期とは丁度よい“仕事の仕切り”を意味しており、目標や手段の種類によってフレキシブルに設定するとよい。
 さまざまなケースが考えられるが、一番極端な場合は、「日々目標」の設定である。「感謝の気持ちを込めた“笑顔”と“ありがとうございます”の言葉で接客する」という類の目標は、毎日の振り返りが大切であり、一日ごとのPDSが経験的にはベストである。
 しかし、多くの目標は、仕事や個人生活のリズム感からして、1か月単位、あるいは1週間単位のサイクル展開が望ましい。

 日々目標の設定、その基本は「感謝の気持ちを込めた“笑顔”と“ありがとうございます”の言葉で接客する」その先にあるのが目標達成。逆に言えば、目標達成をするという強い信念につながっているのが“笑顔”と“ありがとうございます”という言葉の接客。この本、実は2013年に購入し、目標管理の教科書として熟読していますが、今読んでも新鮮です。来期の経営計画書をまとめている途中で読み直しました。

「目標管理の教科書」五十嵐 英憲 著

ダイヤモンド社 2012年5月31日第1刷発行

(P46 ステップ②)
職場と個人のミッションをみんなで確認しょう
□職場のミッションを話し合う
 部門の中期経営計画(ビジョンと戦略)をメンバー全員が確認したら、次にリーダーが仕掛けるのは、「職場のミッションの明確化」の議論である。職場のミッションとは、中長期的に見た職場の役割と担う責任のことだ。
 向こう3~5年間を見渡して、この職場が貢献すべき対象は、いったい「何」なのか、あるいは「どこ」なのか、貢献対象を固有名詞に近い状態で把握して、その貢献対象に中長期にわたって「提供すべき職場の仕事」を、部門の中期経営計画と絡めて生き生きと導き出すこと。
 これが職場ミッションの明確化のストーリーであり、それに則って、リーダーとメンバーが真剣な議論を展開すれば、お互いの想いのこもった職場の根本的な役割の共有化が可能になる。また、役割の実践意欲も刺激されるだろう。
□絶対に外せない顧客への貢献
 職場ミッションについて話し合う際に、絶対外せない貢献対象が2つある。
「お客様」と「適正利益の確保」である。基本的に、どんな職場も、何らかの形で両者に貢献することが求められているからである。
 とりわけ、お客様への貢献は重要だ。お客様が商品を買ってくれなければ、何も始まらない。究極的に会社を支えているのはお客様なのである。
 それを忘れずに、全職場が顧客への貢献を意識する事。それが職場ミッションである。

 この本を読むのは何度目だったか忘れました。表紙には「ノルマ主義に陥らないMBOの正しいやり方」というサブタイトルがあります。今回は「職場ミッション」という言葉が気になり読み直しました。私は、経営の基本要素として、ミッション、ビジョン、ドメインを考え中期経営計画を作成することを進めてきました。先日、幹部合宿で中期経営計画(ビジョンと戦略)を話し合ったのですが、戦略を実行する過程で目標管理は必須であり、その目標管理を「ノルマ管理」にしないために「職場のミッション」さらには「リーダーのミッション」「個人のミッション」が必要ということが良くわかりました。web軍師のスコアカードの赤と黄色を緑にするための「鍵」がここにもありました。この本は何度も読み直します。

「図解&事例で学ぶPDCAの教科書」川原 慎也著

株式会社マイナビ出版 2016年2月29日初版発行

「スコアをつければ組織は動く」チャールズ・A・クーンラット、リー・ベンソン著(P38 ▼目標と計画は違う!)
「目標」と「計画」は違います、などと言うと、「そんなことわかっているよ」という声が聞こえてきそうですが、ビジネスの常識では、これらを混同して使っているケースが散見されます。
 中には、「これが計画です」と見せてもらうものに、年間の売上目標、それを月別に分解した売上目標、商品別に分解した売上目標、顧客別に分解した売上目標……と、売上目標を様々なテーマで分解した数値が並んでいるに過ぎない、といったケースも決して少なくありません。
 言葉の違いは理解していても、実際の運用段階では混同してしまうわけですね。だからこそ、「なんのために計画をたてるのかを明らかにすること」が大切になります。
 さて、「目標」と「計画」の違いについての理解を深めるには、登山に例えて考えてみるのが良いでしょう。
 登山において、「目標」は山頂に到達することであり、「計画」はその山頂に到達するための登山計画ということになりますね。このように考えてみると、全く異なる定義であることが再認識できるのではないかと思います。
 つまり、「計画」のもっとも重要な目的として「目標」達成があるということをまず理解した上で、「計画の作りこみ」に取り組むことが重要になのです。

「これだけPDCA」の川原先生の本です。経歴を見ると「船井総合研究所・上席コンサルタント。PDCAマネジメントコンサルティングの第一人者として中小企業から大手企業に至るまで、企業規模特有の課題を踏まえたコンサルテーションを展開。」とありました。
PDCAに関する本はたくさんあります。すばる舎リンゲージの「これだけシリーズ」の走りになったのは「これだけPDCA」。その著者も川原先生です。大変わかりやすいのでお薦めです。最近、新たなことに取り組み、資料をみたら年間目標達成のためどのように取り組むのかは書いてあるのですが、そのためにどのように行動するのかまでは言及していない上、普段の行動をモニタリングする仕組みがありません。「目標」と「計画」の違いを改めて考えることができました。

「スコアをつければ組織は動く」チャールズ・A・クーンラット、リー・ベンソン著(3)

ダイレクト出版 2017年4月発行

「スコアをつければ組織は動く」チャールズ・A・クーンラット、リー・ベンソン著 (P182 年に一度ではなく日々行うようにする)
「1ヤードずつ進むのは難しいが、1インチずつならたやすい」
私たちはこの言葉を幼少のころから聞かされてきた。進歩とは小さな積み重ねであり、一足飛びではなく、一歩ずつ前に進むことである。
だが、私たちは慣習や技術問題から、19世紀後半の会計基準に基づいたスコアカードに縛られていることが良くある。あるいは、はるか昔の先祖のように、月の相にコントロールされていたりする。
私のスコアカードが1年に一度しか報告する必要のないもの―例えば、税引前利益―で、そのカードを微調整することも、改良することも、報告回数を増やすこともできなければ、何か問題ある場合、それは大きくなっていく一方である。
クレジットカード会社は、カードホルダー(顧客)が外出時間には必ずカードを携行するよう期待しているが、ある大手カード会社は年間の貸し倒れ損失がほぼ4億ドルに達したと発表した。誰が考えても手の施しようのない額で、こんな事態が生じたのは報告が年に1回だからである。だが、この数字を1日100万ドルの損失ととらえるとどうなるだろう?大きいことに変わりはないが、はるかに対処しやすい数字である。
問題は依然深刻だが、こうしてスコアキーピングを1年に1度ではなく日々行うようにすれば、少なくとも問題に手を付けることは可能になる。何度も注意を払っていれば、以前は不可能と思えたことが可能になる。

web軍師はKPIマネジメントのツールです。月に一度目標に対する実績を記入する仕組みですが、記入するまでのプロセスとして、日々・週・10日単位での振り返りが必要です。目標達成するためには、「仮説→実行→検証→仕組み化」そして具体的なアクションプランを立てること。仮説を明確にし、それをKPI設定して共有化し、目標管理やアクションにつなげる、加えて「スピード」!それを習慣にできるかどうか…習慣にする意思があるかどうかです。
わかっていても実践できない。私も全く同じで、チャレンジと挫折を繰り返しています。でも、最近気づいたのですが、戦略を「戦略マップ」で考える習慣が日常になっていました。習慣を変えるには行動から、決意を新たにして目標達成のため、行動を変えてみませんか。

『世界の一流36人「仕事の基本」』戸塚将隆著

講談社2017年2月発行

『世界の一流36人「仕事の基本」』戸塚将隆著「継続的に振り返り、自分がやり遂げたことと、これから改善すべきことを考え続けることが、唯一かつ最も大事なことだ」
 自分の日頃の活動を定期的に振り返り、達成事項を確認しつつ、改善点を洗いだすことの大切さを語っています。英語原文にあるfeedbackとは、他人にコメントをもらうことではなく、自分自身で振り返ることを意味しているのです。
2002年に創業したスペースX社は、わずか6年間という短い時間で、ロケットの打ち上げに成功します。しかし同社の6年間は、順風満帆とはほど遠い状態でした。
 予定されていた打ち上げ日を何度も延期せざるを得ず、ようやく実現した第1回の打ち上げは、もろくも失敗。その後も打ち上げるたびに失敗が続きます。宇宙開発はやはり民間企業ではできないという見方が大勢でした。しかし、マスク氏は、打ち上げ失敗のたびにポジティブなメッセージを発信し続けました。
 また、テスラ・モーターズの第1号EV車では、数多くの予約販売を受け付けたにもかかわらず発売予定日に納品をできませんでした。予定日から1年ほど遅れて、かろうじて二十数台の納品を実現しただけです。マスク氏は予約販売分の売上金額を購入者一人一人に個人保証する羽目に陥ります。しかし、このときもマスク氏の口からはポジティブな言葉が発せられました。
 当時の状況からすれば、マスク氏は非現実的な夢を声高に叫ぶホラ吹きと捉えられてもおかしくなかったでしょう。実際、この時期、スペースXもテスラも失敗するだろうという報道が多くなされています。
 ネガティブ思考に陥ってもおかしくなかった状況でも、マスク氏が常にポジティブなメッセージを周囲に発し続けることができたのは、振り返りの習慣を自らに課し、数々の失敗のなかに小さな成功を見いだし、自分を奮い立たせ、改善へのモチベーションを意識的に創りだしていたからではないでしょうか。
(P.76 とても重要なのは振り返りの習慣を持つことです
イ-ロン・マスク(テスラ・モーターズCEO)
P78失敗のなかに小さな成功を見いだす)

 この本は、タイトルと帯に書かれている「イチから学ぶ圧倒的成果の上げ方」をみて、中を読まず買ってしまいました。
 マスク氏は、ウィキペデアによるとオンラインコンテンツ出版ソフトを提供する会社を作り、コンパック社に買収され、3億7千万USドルの現金とストックオプションで3400万ドル(1ドル110円とすると約444億円)を手に入れ、その後次々と事業展開をしています。そのマスク氏の仕事の基本を著者が「継続的に振り返り、自分がやり遂げたことと、これから改善すべきことを考え続けることが、唯一かつ最も大事なことだ」と書いていることに興味を持ちました。(イーロン・マスク氏についての詳細はウィキペデアを参照してください)

『宮大工棟梁西岡常一「口伝」の重み』日経ビジネス文庫

日経ビジネス文庫 2005年4月刊行

『宮大工棟梁西岡常一「口伝」の重み』日経ビジネス文庫 お、この建物は面白い―というのがあると、祖父はすぐそれをスケッチしていた。矢立と帳面をいつも持っていて、サラサラと描く。ある時、堂の絵模様を描いた。それを見て「絵様そのものを描くのでなく、余白が絵様になるように描け」と言われた。全体のバランスを考えよ。ということだったのだろう。しかし、それ以上のことはいわない。祖父の帳面は十冊ぐらいあった。しかし、私にも父にも絶対見せなかった。
 - 体で覚える。優れた仕事を見て、それを盗む。
これが基本だった。
 - 口より先に手。
というのが職人の世界で、理屈であれこれいうのはうまくない。それぞれが、自分で体に仕事をしみこませるしかない。何かを伝えていくのも、そうしたやり方になる。それだけに、
 - 教わる方も、教える方も必死。
ということになる。
 一方で、祖父は褒め方も上手だった。うまく褒めるのも棟梁の腕である。私には言わず。私の母に褒める。本人には決して言わなかった。(第1章 千年先を見通す「口伝」の重み P.30)

 この本は、先日、青森県主催のITビジネスマッチング交流会で名刺交換し、早速訪問した「材 株式会社」の浄法寺社長に教えていただきました。口伝」についてはWikipediaで次のように解説しています。
「祖父常吉は晩年、一人前となった父楢光と常一に西岡家に伝わる口伝を教えた。これは一度しか口移しで教えることができない日中の教えで、一つずつその意味となる要点を教え、十日後に質問して一語一句違わず意味を理解するまで進まなかった。」

 先週「短期間でどんな人材も即戦力にする方法」というセミナーをうけてきました。チェックリストを使い、仕事を平準化することで「知っている」を「できている」にするのが秘訣。そのために「アニー」というツールを使いましょうという内容でした。「口伝」と「仕事の平準化」は矛盾しているようですが、繰り返しやって覚える、やるべきことをチェックリストにして、絶えず更新することにより、安心して仕事ができる環境を作るという本質はつながっているように思えました。先週書いた、孔子の「聞けば忘れる、見れば覚える、行えば理解する」も同様です。業務の効率化と人材育成について大きな気づきを得ました。忘れないうちに「行い」ます。