今日の1ページ

『㊙人脈活用術』ボブ・バーグ

ダイレクト出版株式会社 2015年8月 発行

『㊙人脈活用術』ボブ・バーグ ここで、紹介の連載システムの土台であり、根幹を成す法則を紹介しよう。もちろん、私の発案ではなく、誕生は山や川のように古い。きちんとした根拠を持つ、普遍の法則である。その法則とはこうだ。

他の条件のすべてが同じなら、人は知り、気に入り、知っている相手に仕事や“紹介”を回す。
 
 これがネットワーキングの黄金律、いや白金律だ。言い換えるなら、商品そのものの値段、ノウハウなど、購入に判断材料となる要素に大差がない場合、買ってもらえる。または買いそうな人を紹介してもらえるのは、その場合、買ってもらえ、または買いそうな人を紹介してもらえるのは、その見込み客や紹介元の“気持ちをつかんだ”人間なのだ。
 本書の一番のテーマと目的は、知り、気に入り、信用している関係の作り方を紹介することにある。
 さらに本書では、そこから話をもう一歩先へ進める。関係を作った人の中に、「あなたに成功して“欲しい”」「あなたの新しい仕事の関係を“手伝いたい”」という気持ちを呼び起こすのだ。実は、彼らを「あなた専属の歩く広告塔」にする。これはそんなに難しい目標ではない。
 今日のハイテク世界では、長く売れるつながりが欠かせない。ハイテク化が進むほど、つながりの重要性は増す。人はそういった影の仕事を望み、選ぶ。言ってみれば、ハイテク化が進むほど、ソフトタッチ、つまり“個人的なつながりが物をいう”人対人の関係こそが、いまのセールスを支配する方法なのだ。今、その傾向はかってないほど顕著になっている。ほかの条件が同じなら、人は知り、気に入り、信用している相手に仕事や紹介を回す。
(P.21 ネットワーキングの黄金律)

 この本は、ビジネス洋書のダイレクト出版から紹介がありました。P.381には「人生で最も美しい応報の1つ、それは、誰かを心から助けようとすれば、必ず自分も助かるという法則だ。(ラルフ・ワルド・エマーソン)」という言葉も書いてありました。私は、宮城谷昌光の歴史小説「孟嘗君」にでてくる中国最大の商人白圭の言葉「助けるものは、助けられるものによって、幸せになれる」を大事にしていますが、全く同じ意味です。
紹介の連鎖が永遠に続く
日々の出会いを売り上げにつなげる
ネットワーキングの黄金律
という見出しにひかれて読みだしたのですが、ネットワーキングとは、「他の条件のすべてが同じなら、人は知り、気に入り、知っている相手に仕事や“紹介”を回す。」という法則を理解し、お互いに利益のあるギブ・アンド・テイクのウィン・ウィンの関係を構築することだとわかりました。この本も何度も読み直すことになりそうです。

『ワクワク会議』堀公俊著

日本経済新聞出版社 2009年12月16日発行

『ワクワク会議』堀公俊著 皆さんも「私って、同じ失敗を何回繰り返しているだろうか」と自分が嫌になった経験があると思います。何回も同じミスを繰り返す、同じタイプの人を好きのなってはフラれる。いつも同じことをやって、相手を怒らせる…そんな経験です。
 私だってそうです。先に先にと物事を考えるタイプで、一人で空回りをしたり、周りを振り回してしむことが、よくあります。みんながついてこれなくなって、こっちがキレちゃったこともあります。さすがに、仕事では、ある程度のゴマカシが利くようになりましたが、家庭では…。

 これって“経験”が“学習”に結びついていないんですね。

 ヒトは経験から学ぶ動物です。特に大人はそう。豊富な経験をもとに、自分の知識やスキルを再度構成していく、それが、大人の学習です。そのためには、一人で内省するだけではなく、他者との相互作用の中で、経験を意味づける必要があります。
 そのために欠かせないのが振り返りです。
 振り返りは、単なるダメ出しでも、反省会でも、責任追及の場でもありません。経験のなかから学んだことを明らかにして、次に向けての一歩を踏み出す行為です。
 経験と学習を結び付ける過程で、ホンネを出し合い、互いの知恵を交換し、新たなチーム作りに向けて意識を合わせる。それが振り返りです。
(P68 なぜ同じ過ちを何度も繰り返すのか)

 著者の「堀 公俊(ほりみきとし)」は、有志と日本ファシリテーション協会を設立し、初代会長に就任された方です。“ファシリテーション”という言葉をはじめて知り、日経ビジネスオンラインの「ファシリテーション入門」という講座を受けた時の講師でした。その後、トップダウンの経営計画をボトムアップにするには、ファシリテーションが必要と気づき、著者の本を何冊も買いました。熟読していれば、もう少し進歩していたのですが、ほとんどが斜め読み…。今、反省しています。
 最近、会議をやったり、支援する機会が多いのですが「ホンネを出し合い、互いの知恵を交換する」という領域まで達していません。この本を読んだとき、付箋してあった上記の部分を読み直し、経験が学習に結びつくまで“振り返りをテーマ”に頑張ろう!と思いました。

「飲食店の集客戦略」高橋憲行著

企画塾出版(2015年4月発行)

「飲食店の集客戦略」高橋憲行著 以前(高度成長期)は、開店すれば来店されて注文が増えるという時代がありました。しかし、現在は同じよなメニューや業態の「供給過多」、「情報過多」によって、「顧客が来店し、注文に至る距離」が長くなっているのが現状です。
 そこでお勧めなのが、CTPTマーケティングです。CTPTマーケティングとは、コンセプト、ターゲット、プロセス、ツールの4つのキーワードの頭文字をとっています。
 コンセプトはお店にサービスやメニューを指します。ターゲットは、既存客や新規客、見込み客を指します。プロセスは、ターゲットにお店委のメニュー・サービスを認知させてから注文をいただくまでの関係づくりの段取りを指します。ツールは、その中で使うツールやイベント、また会話の内容等をさす場合もあります。
 そして、このCTPTマーケティングの最終目標は、1回限りのお火薬様ではなく、何度も来ていただき、新規客を同伴していただけるお店のファンを増やし、永続的な増販増客の仕組みを作ることです。(CTPTマーケティングとは P4)

 先週、企画塾の月例会でweb軍師を使い、関与先を指導してきた事例を発表させていただきました。
4年前、当社の社員が企画塾(MP講座)で学んだことを実践し、あるお店を指導して、見事に黒字化できました。CTPTは儲けの仕組み(ビジネスモデル)です。今回は、社員の頑張りで、お客様に喜んでいただけましたが、今後も黒字を続けていくためには、ビジネスモデルを業務のシステムとして習慣にすることが必要です。料金をいただいて、web軍師でモニタリングを続け、PDCAを習慣化し、業務システムにすることは可能ですが、現場で実行するのはお店の従業員です。平均年齢が上がり、モチベーションが下がったら赤字に戻ってしまいます。今回はその可能性のある事例でした。
Web軍師のベースになっている、バランス・スコアカードには短期の戦略と長期の戦略のバランスをとるという役割があります。CTPTを仕組みとして定着させるとともに、長期的な「継続」という視点で人材育成と組織づくりの提案を進める必要があることに気づきました。
この本には、極め付けの15の成功事例が載っています。管理会計で意思決定支援中心の業務から、マーケティングの領域へ一歩踏み出してみませんか。

『MBAのためのビジネスプランニング』小樽商科大学ビジネススクール[編]

同分社刊 平成24年1月30日改定版発行

『MBAのためのビジネスプランニング』小樽商科大学ビジネススクール[編]優れたビジネスアイデアや適切なビジネスコンセプトを設定できたとしても、事業の成功が約束されるわけではない。ビジネスアイデアやビジネスコンセプトを実現し、事業に安定的な収益をもたらす仕事としての仕組みやシステム、つまり優れたビジネスモデルが業務システムとして構築されなければ何もならない。ヤマト運輸が宅配便を創造することができたのも、金型の通信販売を行うミスミが「購買代理店」というコンセプトを実現できたのも、優れたビジネスモデルを業務システムとして構築できたからにほかならない。ビジネスモデルの構築は、課題や脅威をクリアするための戦略の立案から始まるビジネスプランニングの一連の作業の1つである。優れた戦略を立案するための高い創造力や発想力だけでなく、それを実際のシステムや制度として実現していく実行力が求められる最も困難な作業ともいえる。しかし、これをビジネスプランニングにおける一番の醍醐味であると感じている起業家も多い。(P63第3章ビジネスモデルを構築する)

私にはハードルが高い本です。ジュンク堂で購入したきっかけは、中小企業庁から、28年11月「事業別分野指針」・28年12月「経営力向上計画策定と活用」が発表され、国が事業別にビジネスモデルを示しているのでは・・・という勘違いからでした。国は、事業別分野指針で14業種の現状認識・課題、目標を示し、さらに小規模・中規模・中堅と規模に応じて取り組むべき項目を挙げています。内容を読み込んでみたら、業種別に外部環境の変化まで書いてありました。
 小売業の関与先の経営向上計画を作成するため、卸・小売業の指針を参考に得意のバランススコアカードの視点で戦略を考えてみました。小規模に該当する企業の経営状態の把握という分類に、①店舗毎に損益管理、②PDCAサイクルの徹底という二つのことが示されています。①と②が本でいうビジネスモデルを構築する要素と考えた場合、確かに今取り組むべき課題であり計画にもり込むべきことなのですが、「業務システム」としてまわさなければ実現できません。回すための課題も企業によって違います。
① と②が優れた戦略だとしても、それを実行するためのKPI(業績評価指標)
は個々の企業によって違います。さらに私達には、認定支援機関として「実現していく」実行力を支援する「役割」が求められています。本を読み、ビジネスモデルと業務システムについて考えることができました。

『ハーバード・ビジネスレビュー』2017年2月号

ダイヤモンド社刊

『ハーバード・ビジネスレビュー』2017年2月号P43 努力の質を高めるためにリーダーがすべきこと
「いい努力」はチームを伸ばす
P49 成果の違いを分ける努力の質
 「努力を続けることはよいことだ」と多くの日本人が思っている。そう教えられ、そういう文化の中で生きている。しかし、そこには誤解がある。単に「努力を「続ける」だけでは意味がない。正しくは、「努力を続けて成果を出すことは良いこと」である。努力の継続は、成果を出すというための方法であり、手段である。「努力の継続」自体がよいことと考えるのは、目的と手段を履き違えてしまっている。
 もちろん、多くの場合、成果を得るために努力が必要である。しかし、努力しても、成果を出せる人と、あまり出せない人がいる。この違いは、なんに起因するのだろうか。“能力の差”という面もあるが、もっと大きな要因がある。
(中略)
 成果を出せる人は努力に無駄がなく、成果を出せない人は無駄な努力ばかりしている。前者は「いい努力」を、後者は「悪い努力」をしているのだ。そして日本企業において、努力の質について考える人は少なく、たいがいの人が十分には考えていない。
図表「いい努力の7つのポイント
1、「成果」につながるもの
2.「目的」が明確なもの
3.「時間軸」を適格に意識しているもの
4.「生産性」が高いもの
5.「充実感」を伴うもの
6.「成長」を伴うもの
7.「成功パターン」が得られるもの
(中略)
この七つの項目を見れば、努力をするのであれば「悪い努力」より「いい努力」をしたいと思うだろう。しかし、実際には多くの人がたくさんの「悪い努力」をしているし、多くのリーダーは多くの場面でチームのメンバーに「悪い努力」をさせている。

このレポートの著者はHirokazu Yamanashi氏です。「私は25年間、マッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルタントとして働き、大企業を中心にいろいろな人の仕事ぶりを見てきた」と書いてあります。
5Sを徹底しPDCAを回すのにKPTの習慣をつけることに気づいたのですが、メンバーにも努力をさせる必要があります。「努力と能力の差とその要因」は大きなテーマです。今回のレポートは前半で、基本的な思考と行動を押さえ、後半で実践的マネジメントについて述べています。後半の内容は基本的な行動として「目的や課題を明確にして仕事に励む」こと、そして実践的マネジメントは「チーム全員が余裕を持てる手順、準備、訓練」という内容になっています。私にはすごくわかりやすいので、何度か読み直します。

「KPIで必ず成果を出す目標達成の技術」大工舎 宏、井田智絵(株式会社アットアットストリーム)著

日本マネジメントセンター刊(2016年1月第2刷)

「KPIで必ず成果を出す目標達成の技術」大工舎 宏、井田智絵(株式会社アットアットストリーム)著最後に、振り返り活動を怠るという点が挙げられます。KPIの設定は、PDCAにおける「P(Plan)」ですから、その後の「DCA」の活動が必要です。「DCA」のうち、アクションアイテムの実行管理は、日常おマネジメント活動として行われます。
日常業務では、当初想定したことができない。思ったような成果・効果が出ない、さらに、見込みが外れてその見直しが必要だというケースもあります。それら一連の活動状況と結果を一定期間ごとに振り返り振り返り、必要な見直しをしなければなりませんが、その活動を怠っているケースは多いものです。
振り返りをしないと、成果KPIの水準の妥当性、重要成功要因やプロセスKPIの妥当性などを見直す機会が持てません。これでは次年度も、そのまま現在の成果KPI・プロセスLPIそのものが実情とかい離したものになり、形骸化への道を進み始めることになります。振り返り活動こそが、KPIマネジメントを形骸化させないための最大の重要成功要因です。(P179 1・4 振り返り活動を行わない)

今年最後の「今日の1ページ」です。振り返って考えると、今年1年、KPIを追いかけてきたような気がします。
□戦略目標は間違っていない、成果KPIが達成できない
→それは、プロセスKPIの設定が違うから(見直す必要がある)
会議で上記に気づくような、振り返りをし、プロセスKPIの見直しをしている会社は何割あるでしょうか?私は、関与先の経営会議に同席し、その重要性に初めて気づきました。目標と実績の確認だけでは、その原因を究明できません。
本では、KPIマネジメントが形骸化するのは次の4つと述べています
① 結果だけを見てしまう
② リーダー・管理者が活用しない
③ アクションレベルへの落とし込みが不十分
④ 振り返り活動を行わない
納得です。そして、上記の4つをカバーするのがKPTと確信しました。
 Keep:よかったこと続けること
 Problem:困ったこと問題点
 Try:今後の活動で試したいこと
来年はKPIを回すため、KPTの達人を目指します(汗

週間ダイヤモンド2016年9月10日号『現代に通じる「不敗の戦略」孫子』

週間ダイヤモンド2016年9月10日号

週間ダイヤモンド2016年9月10日号『現代に通じる「不敗の戦略」孫子』伝統か変化か・・・。名刺や封筒のメーカーとして知られる山櫻の市瀬豊和社長は、「同族企業では変えることと変えないことの線引きが難しい」と本音を漏らす。
そんな市瀬社長が経営判断で迷ったときに参考にするのが孫子の兵法。特に市瀬社長が経営に生かしたのが、孫子の「戦わずして勝つ」という考え方だ。名刺や封筒の業界は紙という製品の特質上、競合との差別化が難しく、価格競争になりがちだ。
そこで市瀬社長は、2012年から山櫻の経営ドメイン変更に踏み切った。「山櫻は名刺や封筒を通して、人と人との“出会い”を提供していた(市瀬社長)ことに気づき、「紙製品の総合メーカー」から「出会ふをカタチに」を経営ドメインとする「出会い創造メーカー」を目指したのだ。
 “出会い”にフォーカスすることで、名刺や封筒以外の製品も多く手掛けることになった。例えば、組み立て式写真立ての「フォカド」。写真を入れて手渡した封筒を組み立てると、メッセージ付き写真立てに変身するという商品で、テレビや雑誌で取り上げられ、業界内で話題になった。
13年には、こうした付加価値の高い紙製品のブランド「+labプラスラボ」を立ち上げ、更なる新規顧客の開拓にまい進。実際、名刺や封筒といった従来のコア事業以外の成長は著しく、15年は09年比で約200%の売上を記録している。既存の事業領域にとらわれることなく、山櫻はこれからも変化し続ける。(P52「山櫻」戦わずして勝つ 新市場開拓で成長持続)

本ではなく雑誌です。さらに、孫子ではなく事業ドメインです。
事業ドメインのことがもっと知りたくて本を読んでいます。最近読んだのは、日本の経営学者榊原清則氏の「企業ドメインの戦略論~構想の大きな会社とは~」です。2013年に発行された本ですが、電子書籍よりありませんでした。
これまで読んだ本の中では、私にとってわかりやすく事例も多く記載してあるのですが、大企業の事例が中心なので、以前読んだ、週刊ダイヤモンドの記事を思い出し書きました。
「山櫻」はHPを見ると、1931年銀座(木挽町)に市瀬商店を創業。名刺・はがき・挨拶状など台紙紙類の販売をする会社でした。創業80周年のサイトをみると2008年からインターネット通販を始めています。
会計事務所の顧客である、小規模事業の経営者に事業ドメインをわかりやすく伝えたいと考え、関連する本はこれからも読み続けます。ドメインの定義をしてからビジョン→経営戦略→経営計画と進むのが、定石です。

「事業性評価融資(最強の貸出増強策)」中村中著

ビジネス教育社(2016年9月発行)

「決定版バランス・スコアカード」吉川武男著⑥ローカルベンチマークによる金融機関の立場を理解できる税理士の選定
 このローカルベンチマークの特徴は、第一段階で「地域の経済・産業の現状と見通しの把握であり、金融機関が重点的に取り組むべき企業の選定」をすることになっています。そのために、経済産業省では、「ローカルベンチマークにおけるRESAS(地域経済分析システム)の活用について」の小冊子を作成しています。
(4行省略)
 地域金融機関はこのRESASを活用して、「地域の経済・産業の見通しの把握」や「重点的に取り組むべき企業の選定」をすることになります。
 同時に、各地域金融機関とともに、半期又は通期ごとに開始だし増加目標や事業性評価融資の残高目標を設定すると思います。金融機関によっては、各支店ごとの目標にしたり、本部が選んだ「重点的に取り組むべき企業の特定」先に対する目標設定を行い融資残高の増加策を図ると思います。当然ながら、この目標設定時点では、個別の企業の第2段階の財務情報や非財務情報の詳細はわかりませんから、金融機関としてはこの目標達成に向けて、核企業ごと、その支援者である税理士や認定支援機関等にローカルベンチマークの作成や対話を求めることになると思います。(P.220)

中村 中先生のお話は、9月21日福島の㈱ビジョンナビゲート主催の「金融対策セミナー」で初めて聞きました。銀行マン「半沢直樹」のテレビドラマを事例に、金融機関の融資に対する姿勢を熱く語り、事業性評価の必要性を訴えておられました。(三菱銀行出身で、現在は資金コンサルタント・中小企業診断士をしておられます)
 ローカルベンチマークに着目して、事業性評価の重要性を知り、2017年度は「経営力向上計画」に取り組むことに決め、事業別分野指針から非財務情報を得意のバランス・スコアカードで表現してみました。「経営力向上計画」には3~5年の事業分野別の目標指数(定量目標)と取り組むべき項目(定性目標)が
示されています。定性目標を実現するにはバランス・スコアカードしかないと改めてわかりました。レジュメができ次第、「軍師の会」のメンバーにも配り一緒に、金融機関に選ばれる認定支援機関を目指します。
*RESAS(地域経済分析システム)https://resas.go.jp/#/13/13101
 →ビックデータの活用はすでに始まっています。

「決定版バランス・スコアカード」吉川武男著

生産性出版刊(2016年1月 第2刷)

「決定版バランス・スコアカード」吉川武男著バランス・スコアカードの8大効果 10行目
 バランス・スコアカードは、伝統的なAnthony教授のマネジメント・コントロールシステムと、Jhon F. Rockart教授の重要成功要因分析、また欧米の合理的経営と、日本的経営のメリットをうまく統合した戦略的マネジメント・システムないし行政システムで、すくなくとも次のような効果を持っている。
①ビジョンと戦略を明確な意思再構築し、これを企業や行政や病院のトップから従業員や職員一人ひとりに至るまで周知徹底させるコミュニケーション機能を備え、将来の競争優位を欠くときし、ビジョンを戦略の実行を通して確実に実現することができる。
②ビジョンを戦略の実行を通して実現に向け、戦略志向の企業ないし行政組織や病院組織を構築し、企業経営や行政や病院経営におけるナビゲーターとドライビング・フォース(牽引車)の役割を果たす。
③全従業員や職員が一丸となって全員参加の企業経営ないし行政や業イン経営を創り、ビジョンを戦略の実行を通して実現のために果敢に挑戦させることができる。
④従業員や職員1人ひとりの責任と権限を明確にし、合理的な企業経営ないし行政や病院経営を行うことができる。
⑤事業計画や予算をビジョンと戦略にリンクさせることができる。
⑥各種の経営管理プロジェクトを、核視点の戦略目標を実現するためのアクションプラン(実行施策)として位置づけ、企業経営や行政や病院経営における成果を確実にすることができる。
⑦ITにより、企業経営や行政や病院経営におけるナビゲーターの役割を果たし、スピーディーな問題発見と万代解決のためのアクションをとることができる。
⑧ビジョンや戦略の見直しと学習のために、単なるフィード・バックだけではなく、メリハリの利いたフィード・フォワードに近づく戦略志向のナビゲーション経営や行政や病院経営ができる。(P.47)

私は、なぜバランス・スコアカードに固執してきたのか・・・
その考えを紐解くために、軍師の会運営にご協力いただいている吉川武男先生の本を読みなおしました。

ドラッカーのマネジメントをBSCの手法で実践する!という試みが「戦略参謀」というツールになり、5年前から3年間会計事務所向けに「経営戦略塾」を実施しました(2015年から経営戦略塾は開催していません)。そして、多くの皆さんに支えられ、研鑽してきました。吉川先生の本にある、バランス・スコアカードの8大効果!行政や病院はわかりませんが、企業で6~7年実践し、その実感を新たにしています。

2016年3月、経済産業省は「会社が病気になる前に」というふれこみで、ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)を公表しました。その後、
2016年7月「中小企業等経営強化法」が施行
2016年10月 金融庁「地域金融機関による事業性評価について」発表
→その前段階として「金融モニタリング基本方針」2016年9月公表
2016年12月 中小企業庁から、~中小企業等経営強化法~「経営力向上計
画策定・活用の手引き」発表
上記の一連の流れは、ロカベンに始まっているように考えられます。ロカベンの分析シートの「肝」である「非財務項目」を実践する仕組みは、バランス・スコアカードでなければできません。
 グットタイミングで、商工会議所から経営指導員対象のセミナーを2時間×5回受注しました。ロカベンに始まる一連の流れをレジュメにして「お助けツール」と一緒に、現場にぶっつけてみます。軍師の会の皆様には、1月ぐらいから提供を始めます。

吉川先生ご推薦の「戦略ナビ」で日本の企業を元気にする取組みは第二ステージに入ります。

「人生を勝ち抜く孫子の兵法」 野村茂夫著

リベラル社刊(2016年10月)

「人生を勝ち抜く孫子の兵法」 野村茂夫著情報収集に手を尽くすことが、大きな利益につながる
爵禄(しょくろく)・百金(ひゃっきん)を愛(おし)んで敵の情を知らざるものは、不仁の至りなり(用間編)
事業活動のための管理手法として「PDCA」というものがありますが、その最初のプラン(計画)を行う前に必要なのが、情報収集です。利益というのはすぐに生じるものではないので、計画段階で情報収集に予算を欠けることには抵抗があるかもしれません。しかし、ビジネスにおいて情報は不可欠なもの。情報がなければ適切に計画を立てることもできず。その後のサイクルも不完全なものになってしまう。十分勝算の見込めるプロジェクトなら、情報収集のための手間やコストを惜しまず。制度を高めていきましょう。

孫子の本は、書棚に何冊かありました。
「最高の戦略教科書 孫子」日本経済新聞社
「孫子とクラウゼヴィッツ」 マイケル・I・ハンデル著 日本経済新聞社
「世界最古の兵法書 孫子」 中谷孝雄著 ㈱ニュートンプレス
残念ながら、どれも完読していません(汗 
最近新聞に「こども孫子の兵法」という本が紹介され、書店でみました。著者の斉藤氏は、子供に強くしなやかなこころで生き抜くヒントを手に入れて欲しいと「はじめに」の部分に書いています。今日の1ページの本は、買った本を完読するために、分かりやすい本から読んでみようと考え、買いました。

孫子はPDCAも考えていたのか・・・と感動し、書棚から「世界最古の兵法書 孫子」で用間(間諜の陰謀)P113を確認してみました。本には、戦いの前には間諜を使い、敵の情報収集を徹底すべきである。軍の動員には、国民の出費と多額の軍事費を使うことになる。戦いに負けることになれば、国民は疲れ果て、路上にぐったりした姿をさらし、家業に手が回らなくなる。間者に与える百金を惜しんで情報収取をおろそかにしてはならない。と、書いてありました。
著者の野村氏は、元大学の教授で「ビジネスに役立つ論語」「ビジネスに役立つ菜根譚」という本も書いておられます。だから、ビジネスの視点で「孫子」の兵法をとらえていたんだ・・・と理解できました。
2016年9月10日号の週刊ダイヤモンドでも、孫子の特集を組んでいます。そして、なぜ今「孫子」なのか、について「一派な戦略論はいかに勝つべきかが主眼となるが、孫子は「不敗」の戦略で貫かれている。勝てない戦いはするな。もし戦うなら犠牲は最小限にせよ。当たり前だがなかなかできないことを孫子はずばり指摘するのである」と解説しています。P29

孫子の本を読み、「戦わずして勝つのが、真の勝者」という言葉の理解を深めたいものです。